体内時計が眠りをコントロール
人間の自律神経機能は、体温や血圧、ホルモンの分泌などの基本的な働きを、24時間より少し長い周期で変化させることが知られています。これを「サーカディアンリズム(おおよそ1日のリズムという意味)」と呼びます。このリズムを支配しているのが体内時計。この体内時計は、人だけでなくすべての生物がもっているものです。
ではなぜ夜になれば眠り、朝になれば目覚めるというリズムを繰り返しているのでしょうか。太古の昔、生物は海で発生し潮の満ち引きのリズムで生活していました。やがて陸上で生活するようになった生物は、太陽の光を手掛かりに活動するようになります。このような太古からの遺伝子が身体に組み込まれているため、人は太陽が昇ると活動し、沈むと眠るというリズムを繰り返しているのです。
実はサーカディアンリズムは約25時間周期と言われています。そのため体内時計が現実の生活時間(24時間)より長いことでズレが生じます。それをリセットするのが太陽の光。健康な成人を対象とした研究では、「起床後、太陽の光を浴び体内時計のリセットされて15〜16時間後にサーカディアンリズムを調整するホルモンであるメラトニンが分泌され、眠気が出現すること」が確認されています。
この光による体内時計のリセットが毎朝起床直後に行われないと、その夜寝つくことのできる時間が少しずつ遅れるそうです。通常室内の明るさは太陽光の10分の1以下で、曇りの天気でも太陽光は室内の5倍以上の明るさがあるため、屋外の太陽光を浴びることが効果的であるそうです。
起床後2時間以上室内にいると、体内時計のリセットが十分おこなわれないで、就寝時刻が遅れやすい事が指摘されています。毎朝、起きたらすぐにカーテンをあけて、太陽光をたっぷり浴びて体内時計のリセットをおこないましょう。
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